【試す価値アリ】厚底スパイクを2か月履いた感想をもとにオススメできる人や走り方を解説!

アキラ
【陸上競技歴20年目 短距離専門】

✅ 200m 22秒42(+1.1)
✅ 300m 35秒76
✅ 400m 49秒74
✅173cm / 56kg

これまで長年陸上競技の短距離に取り組んできた経験や多くのスパイクやシューズを履いてきた経験をもとに、陸上競技の短距離用スパイクについて詳しく解説しています。

(当記事はプロモーションを含みます

この記事で分かること
  • 厚底スパイクとはどういうものか
  • 厚底スパイクを使うメリット・デメリット
  • 厚底スパイクをオススメできる人
  • 厚底スパイクでの走り方
  • オススメの厚底スパイク

近年、陸上競技におけるスパイクの厚底化が進んでいます。

  • 「厚底スパイクは反発が貰えて良い」
  • 「トップレベルの選手も厚底スパイクを履いている」
  • 「新作のスパイクが厚底化されている」

という話題性はありますが、一方で

  • 「今の流行だから」
  • 「厚底スパイクを履けば速く走れそう」
  • 「試しに履いてみたい」

といった感覚的な感想も多いと思います。

これまでは短距離のスパイクと言えば薄底で硬いプレートで反発を貰う形状というのが普通でしたが、今は薄底か厚底かという選択肢が生まれました。

この記事では、厚底スパイクは具体的にこれまでの薄底のスパイクと何がどう違うのか、厚底スパイクを履くメリットデメリットは何なのか、厚底スパイクをオススメできる人はどんな人か、厚底スパイクで速く走るためにはどんな走り方をしたら良いのかを解説します。

目次

厚底スパイクとは、フォーム材とプレートの両方で反発を貰うスパイクのこと

日本における陸上競技のスパイクは1950年代に初めて発売されましたが、それ以降は短距離においては長らく薄底のスパイクが定番でした。走り幅跳びのスパイクのソールは厚いものになっていましたが、高反発フォーム材ではなく、単純にクッション性という役割のクッション材でした。

近年、長距離やマラソンにおいて厚底シューズが注目され始め、もはや長距離シューズは厚底シューズの独壇場になっています。少し遅れて厚底シューズが持つフォーム材の高反発性とクッション性が短距離スパイクに採用され、短距離界も厚底スパイクの勢いが増していっています。

アキラ

国産では2023年以降にミズノとアシックスから厚底スパイクが発売されました。

フォーム材は従来のクッション材とは異なる

厚底スパイクの「厚底」はミッドソールの厚みのことを言います。見た目や触った感じは従来のランニングシューズのクッション材との違いは分かりませんが、簡単に言うと従来のクッション材を改良して軽さや反発性を向上させたものです。各メーカーで様々なフォーム材の研究と開発が進められています。

アシックスの短距離スパイクに用いられるフォーム材

アシックスの厚底短距離スパイクには「FF Blast」というフォーム材が使用されています。「FF Blast」には3種類あり、それぞれ以下のような特徴があります。

フォーム材特徴(5点評価)スパイク
反発力クッション性
FF Blast4/52/5ジェットスプリント3
ソニックスプリントエリート3
FF Blast
Plus
3/53/5(コスモレーサーMD3)
FF Blast
Turbo
5/51/5メタスピードSP
アシックス短距離用スパイクの種類とフォーム材(※コスモレーサーMD3も含めています)

ミズノの短距離スパイクに用いられるフォーム材

ミズノの厚底短距離スパイクはエックスブラストNEO2、クロノインクスNEO JAPANがあり、両方とも「ミズノエナジーライト」というフォーム材が使用されています。ランニングシューズにも使われているミズノエナジーのクッション性と反発性を高め、軽いという特徴を持っています。

従来比柔らかさ反発性特徴
ミズノ
エナジー
17%⤴15%⤴汎用性
ミズノ
エナジーライト
22%⤴35%⤴軽い
ミズノ
エナジーコア
293%⤴56%⤴重い

プレートは従来どおりの反発力を持つ

厚底スパイクのプレートはフォーム材の上に乗るような形で配置されています。従来の薄底スパイクは靴底にプレートが配置されていましたが、接地時にプレートをしならせて反発を貰うという基本的な目的は変わりません。

実際に履いている厚底スパイクを紹介

私が履いているスパイクはアシックスのコスモレーサーMD3です。詳しいスペックやレビューについては以下の記事で解説しています。

コスモレーサーMD3はメーカーのスペック上では800m~1500mが対応種目ですが、アシックスのソニックスプリントエリート3やジェットスプリント3と比較して履いた感覚が一番しっくり来たので短距離用に購入しました。ソニックスプリントエリート3やジェットスプリント3と比較してコスモレーサーMD3を選択した理由は以下のとおりです。

  • フォーム材がやや柔らかくクッション性も高い
  • つま先の傾斜が両者の中間で非常に履きやすかった
  • フォアフットとフラット接地の両極端では選びにくかった
  • 両者と比較して安かった

実際に走っていてもしっかり反発が返ってきますし、とても中距離用とは思えないくらい短距離にも適応したスパイクだと思います。

アキラ

物足りなさというものは全く感じません。

厚底スパイクのメリット4つ

厚底スパイクのメリットを4つ挙げます

これまでにない反発力が得られる

これまでのスパイクは接地の際にプレートをしならせて、プレートが元の形に戻る力を反発力として推進力につなげる原理でした。一方、厚底スパイクはプレートの反発力に加えて、接地の際に潰したフォーム材が元の形に戻る力も反発力として生かして推進力につなげることが可能になっています。

アキラ

プレートとフォーム材の反発力の両方を受けることができます。

クッション性が高く怪我しにくい

スパイクに用いられるフォーム材は高反発素材ですが、クッション性能も高いです。当然、クッションが薄いほど脚や身体にかかる負担は大きくなります。薄底のスパイクはほとんどクッション材が入っていませんが、裸足で走るよりは全然マシなことを考えると、しっかりフォーム材が入っている厚底スパイクはよりクッション性が高く怪我をしにくことが分かります。

力まずにスピードに乗れて体力を温存できる

厚底スパイクはうまく反発を貰えると力まずに弾むように前に進むことができるため、無理なくスピードを出すことが出来ます。

特に200mの前半や400mの前半300mなどはリラックスしつつも高いスピードを維持することが重要になってくるので、厚底スパイクと相性が良いです。短距離にラストスパートというものはありませんが、脚力を温存できればその分減速が抑えられてタイムの短縮につながります。

正しい走り方が習得できる

厚底スパイクはしっかりとフォーム材を潰して反発を貰う必要があります。そのためには真上から正確に地面に接地する必要があり、反発が返ってくるタイミングで足が地面から離れ、重心が移動している必要があります。また、フォーム材に厚みがあるため、まっすぐ接地できないと接地してから足が左右にブレやすいです。

よって、厚底スパイクでうまく反発を貰う走りを意識することは結果的に正しい走りの訓練にもなります。

厚底スパイクのデメリット4つ

厚底スパイクのデメリットを4つ挙げます。

ダイレクトな接地感は薄底スパイクに劣る

薄底スパイクは足裏から地面までの距離が数ミリ~1cm程度ですが、厚底スパイクは2cm以上あります。地面を素足で捉えるようなダイレクトな接地感はどうしても薄底スパイクに劣りますが、構造上の問題なので個人的にはフォーム材の反発力とトレードオフの関係だと思います。

慣れるまでに時間を要する

個々人の走り方にもよりますが、アップシューズを含め厚底シューズは初めて履く場合、フォーム材の反発をうまく貰って走れるようになるためには多少の慣れと練習が必要です。走りの基本的な技術がある方はちょっとコツを掴めばそこまで時間はかからないかと思いますが、人によっては慣れるまでに時間がかかる人もいるでしょうし、結局薄底シューズに戻るという人もいると思います。

価格が高め

研究、開発の途上でもあるため、基本的に全て「新作」の状態なので価格も高めになっています。今後新しいモデルが発売されていけば型落ち品として値下げして購入できるようになるでしょう。

カラー展開が少ない

特にソニックスプリントエリート3、ジェットスプリント3、コスモレーサーMD3はSteP限定カラーを入れても2色しかないため、近づいて良く見ない限り違いが分かりません。今回は性能を重視して発売したものと思われるため、今後は新カラーにも期待したいところです。

厚底スパイクでの走り方について

厚底スパイクの性能を十分に発揮するためには大きく分けて3つ意識しておくべきことがあります。

とにかくフォーム材を潰すことを意識する

厚底スパイクはフォーム材を潰すことで反発力を得ることができます。言い方を変えれば、フォーム材をしっかり潰すことが出来ないと反発力を貰うことができません。

フォーム材を潰すためには単に地面に足を押し付ける力を大きくするだけではなく、接地する時の地面と脚との角度や、足関節の向きやねじれ、離地のタイミング、重心の移動など様々なことを意識する必要があります。

これらは厚底スパイクを履きこなすための技術ではなく、速く走るために必要な基本的な技術なので普段の練習を大事にすることで自然とフォーム材を潰せるようになるでしょう。

アキラ

潰し方にもよりますが、潰した分反発が返ってきます。

一歩一歩反発を感じながら前へ弾むように走る

厚底スパイクは正しく走ると高い反発を得ることができますが、上方向へ跳ねないように注意が必要です。身体の重心を意識して上下動のない走りができるように意識しましょう。

また、ピッチを意識しすぎると十分に反発を得られるタイミングが掴みづらいため、最初のうちは慣れるまで一歩一歩しっかりと反発を貰いながら走るようにすると良いでしょう。

スパイクのピンは意識しない

厚底スパイクはフォーム材とプレートの反発を推進力に変えるものです。薄底のスパイクでも同じですが、スパイクのピンでグリップして走るという走りは根本的に理にかなっていません。

アシックスの厚底スパイクのピンは5mmです。このピンは滑り止めの役割と思って大丈夫です。とにかくフォーム材を潰して反発を貰うということを意識して走ってください。

アキラ

私は5mmピンが短いと感じたタイミングは一瞬もありません。

厚底スパイクをオススメできる人

厚底スパイクをオススメできる人は以下のような人です。

怪我のリスクを減らしたい人

厚底スパイクのフォーム材は高いクッション性を持つので、脚や身体の衝撃やダメージを軽減してくれます。特に300+200+100のセット走やインターバル走などの走っている時間が長くなるような練習メニューの時は厚底スパイクの方が怪我のリスクを減らすことができます。

真上から接地できる技術を持っている人

陸上を始めてからある程度期間が経っており、しっかりフォーム材を潰して反発力として生かせる技術を持っている人は厚底スパイクの性能をしっかりと発揮できる可能性が高いです。

逆に、「真上から接地する」ことがどういうことかを言葉で説明できないうちは意識的に厚底スパイクを履きこなすことは難しいかもしれません。

200mや400mでラストまで力を温存したい人

厚底スパイクはフォーム材のクッション性による衝撃やダメージを抑え、スピードを維持したまま中間疾走することができるため、うまく履きこなせば薄底よりもラストの減速を抑えるポテンシャルがあると思います。

厚底スパイクを履いたから足が速くなるわけではありませんが、今持っている能力をうまくレースの中で使いこなし、タイムを向上させることができる可能性を秘めています。

地面からしっかり反発を貰う走りを習得したい人

厚底スパイクの性能を発揮するためには正しい走りの技術が必要なので、言い換えれば厚底スパイクを履きこなすための意識を普段から行うことは地面からしっかりと反発を貰う訓練にもなります。

アキラ

ランニングシューズでのアップ時も地面から反発を貰うように意識をしましょう。

とにかく厚底のスパイクを履いてみたい人

「良く分からないけど、流行りだからとりあえず履いてみたい。」という理由で厚底スパイクを履いてみるというのも全然良いと思います。このスパイクを履かなければいけない、このスパイクを履いてはいけないというものはありません。(もちろんルールの範囲内で)

アキラ

最終的には自分が履きたいスパイクを履きましょう!

厚底スパイクをオススメしない人

履きたいスパイクを履くのが良いと個人的には思いますが、そうは言っても厚底スパイクをあえてオススメしない人は以下のような人です。

初めて陸上スパイクを購入する初心者

陸上を始めたばかりでスパイクを始めて履く初心者の方は厚底スパイクの性能を十分に発揮することが難しいです。初心者の方はスパイクに慣れて走りの技術を磨くことが速くなる近道です。

初心者の方のスパイク選びはこちらの記事を参考にしてみてください。

大事な試合の直前に薄底スパイクから乗り換える人

厚底スパイクは走りの技術がしっかりしている人はある程度練習をすれば慣れることができますが、それでも感覚的には薄底のスパイクとは異なるため、多かれ少なかれ慣れるのに時間は必要です。大事な試合の直前に薄底スパイクから乗り換えるのは多少リスクがあると思います。

アキラ

大事な試合は履きなれたスパイクでレースに集中した方が良いでしょう。

地面とのダイレクトな接地感を大事にする人

人によっては厚底スパイクの浮いた感じ(地面から素足までの距離が遠く感じる)がある人もいるでしょう。接地の時のダイレクトな衝撃を感じながら反発を貰って走ることを大事にしている選手にとっては薄底のスパイクの方が合っていると感じることもあるでしょう。

オススメの厚底スパイクを紹介

厚底スパイクも種類が増えてきましたが、その中でもオススメのものを紹介します。

履きやすさで言うと圧倒的にアシックスかミズノがおすすめ

厚底スパイクの中でも履きやすく、トップレベルでなくても反発が得られやすいスパイクを選ぶならアシックスかミズノがおすすめです。

ソニックスプリントエリート3

詳細レビュー
ジェットスプリント3

詳細レビュー
コスモレーサーMD3

詳細レビュー
メタスピードSP
入荷待ち
メタスピードMD
入荷待ち
クロノインクスNEO JAPAN
入荷待ち
エックスブラストNEO2

詳細レビュー

この中で、コスモレーサーMD3とメタスピードMDは800m~1500mをターゲットとしているスパイクですが、フォーム材の反発、プレートの反発ともに高く短距離で使っても全く問題ありません。むしろ、初めて厚底スパイクを履く方にはクセが無くて履きやすくおすすめできます。

厚底の感覚に慣れていれば海外製のものも候補

海外製の厚底スパイクではアディダスやナイキのものが有名です。ただし、アシックスやミズノの厚底スパイクと比較してつま先の傾斜が高く、フォアフットでしっかり体重を支えるための筋力と技術が必要なのでやや上級者向けです。


アディゼロプライム SP2

アディゼロ Ambition

ナイキエアズームMaxfly

ナイキエアズームビクトリー

この中でアディゼロAmbitionとナイキエアズームビクトリーは中長距離用をターゲットとしていますが、短距離でも全く問題ない反発力が得られます。

アキラ

最後までご覧いただきありがとうございました。

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