【新色追加!】ソニックスプリントエリート3を徹底評価・レビュー!

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アキラ

この記事ではアシックスの短距離用スパイクソニックスプリントエリート3を徹底評価・レビューしています。

アシックス ソニックスプリントエリート3

2024年1月にアシックスとしては初の短距離用厚底スパイクが発売されました。これまでの薄底のスパイクとは見た目も作りも全く異なるため、大きな衝撃を与えました。

この記事では、アシックスの短距離用スパイク「ソニックスプリントエリート3」がどんなスパイクで、どんな人におすすめできるか知りたい人に向けて、徹底的に解説します。

結論、ソニックスプリントエリート3は、厚底スパイクの中でも履きやすいシューズです。高反発のフォーム材とカーボン樹脂プレートの搭載により、高い反発を受けつつも、初めて厚底スパイクを履く人にも履きやすいです。

この記事を読むことで、ソニックスプリントエリート3の特徴や、メリット、デメリット、どんな人におすすめできるかが分かるようになります。

執筆者情報

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目次

ソニックスプリントエリート3の特徴・おすすめポイント

ソニックスプリントエリート3の特徴・おすすめポイント

ソニックスプリントエリート3の特徴・おすすめポイントは以下のとおりです。

対応種目は100m~400m

100m200m400m100mH
110mH
400mH

対応種目は100m~400mで、公式の表記ではハードル種目には対応していません。一見、ピンが7本あり、フォーム材によるクッション性もあるためハードルでも使えそうな気はします。

私の考えになりますが、ソニックスプリントエリート3は、以下の理由からハードル種目に対応していないと思っています。

  • ピンが5mmであり、グリップ力を期待したものではないため
  • ピンを長くすると、このスパイクの良さが生かせないため
  • ソールがシンプルであり、ハードル種目の複雑な動きを想定して作られていないため
  • ハードルで使うには接地面の安定感に欠けるため
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以上の理由から、走ることだけに特化して作られたスパイクであると考えられます。

ソニックスプリントエリートの歴史

ソニックスプリントエリートの歴史

新素材のアッパーを採用

新素材のアッパーを採用

ソニックスプリントエリート3では、アシックスの新素材アッパーが採用されています。

モーションラップアッパーを採用

モーションラップアッパーを採用

前作のソニックスプリントエリート2のアッパーにはHL-0メッシュが使用されていました。今作では新たにモーションラップアッパーが採用されました。

モーションラップアッパーは以下のような特徴を持ちます。

  • マラソンシューズの上位モデルにも採用
  • 軽量で通気性に優れる
  • 内部は起毛と通気孔を設置
  • 伸びると素早く縮むキックバック特性がある

つまり、以下のようなメリットが得られます。

  • HL-0メッシュよりも薄くて丈夫
  • 通気性が高いため、暑い日でも蒸れない
  • 内部が起毛素材なので靴下と摩擦が生じ足のズレを防ぐ
  • 走りの中で生じる足の変形に応じて伸縮するためフィット感が高い

前足部は透け感のある薄さですが、そこそこ張りのある素材感なので簡単には破けなさそうです。

アッパーの素材感①

アッパーの内側に通気孔を空けた裏起毛素材の補強がされています。

アッパーの素材感②
アキラ

足入れしやすく、シューズ内部でも足がズレる感覚がありません。

ダイナラップが廃止され履きやすさが向上

前作で採用されていたダイナラップは廃止されました。ダイナラップは以下の写真の丸で囲まれた部分です。

ダイナラップとは

ダイナラップは、ヒモを締めると中足部のバンドが持ち上がりフィット感を向上させるためのものです。高いフィット感がメリットでしたが、以下のようなデメリットもありました。

  • スパイクが履きにくい
  • いちいちヒモを緩めるのがめんどくさい
  • 締め付け感が苦手
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モーションラップアッパーは伸縮性の高い素材なのでダイナラップがなくても高いフィット感が得られます。

ソールは大幅にリニューアルされた

ソールは大幅にリニューアルされた

ピンレスプレートデザインは廃止

ピンレスプレートデザインは廃止

前作ではフルレングスのピンレスプレートデザインでしたが、今作では廃止されています。

一見して、プレートが短いように思えますが、プレート本体は赤い部分ではありません。以下でプレートの解説をします。

カーボン樹脂プレートを採用

カーボン樹脂プレートを採用

矢印で示した黒い部分がカーボン樹脂プレートになります。ソニックスプリントエリート3のプレートはミッドソールとアッパーの間に挟まれる形で配置されています。

カーボン樹脂とは以下のような素材です

  • カーボン素材とプラスチック素材を混ぜ合わせたもの
  • カーボンの軽さと硬さを生かし、反発素材にしたもの
  • 自動車/航空機/建築/スポーツなど様々な業界で採用
アキラ

カーボン樹脂を使うことで、軽量化につながり、高い反発力も実現しています。

FF Blastによる高反発ミッドソールを採用

FF Blastによる高反発ミッドソールを採用

今作において、最も進化した点は、高反発ミッドソールの採用です。

「FF Blast」とは、「Flyte Foam Blast」の略で、アシックスのクッションソールの種類の一つで、以下の3種類があります。

  • FF Blast
  • FF Blast Plus
  • FF Blast Turbo

下にいくほど高反発になります。

フォーム材特徴(5点評価)スパイク
反発力クッション性
FF Blastジェットスプリント3
ソニックスプリントエリート3
FF Blast
Plus
(コスモレーサーMD3)
FF Blast
Turbo
メタスピードSP
アシックス短距離用スパイクの種類とフォーム材(※コスモレーサーMD3も含めています)

FF Blastシリーズのミッドソールは以下のような特徴を持ちます。

  • アシックスの軽量フォーム材の中では最も反発性が高い
  • FF Blastはやや重量がある
  • 素早く圧縮して素早くもとの形状に戻る

これにより、以下のメリットが得られます。

  • 反発性能が高いので、地面からの反発を推進力につなげやすい
  • ミッドソールを前足部で潰すことで弾むような反発が得られる

厚底スパイクの特徴・メリット・デメリット・走り方を解説!

ラウンド型のヒール

ラウンド型のヒール

ヒール部分はラウンドに近い仕様になっています。

ヒールのラウンド形状は、接地の際にかかとが地面につく面積が小さいため、ブレーキがかかりにくいというメリットがあります。

無駄を削ぎ落した5mmピン

無駄を削ぎ落した5mmピン

ピンは取り換え可能ピン5mm×7本です。ピンレスデザインプレートが廃止されたので、力のかかる必要な箇所にはピンが配置されています。ピンは二段並行ピンがついています。

  • ピンの交換が行えるようになり、ニードルピンも使用可能
  • ピンの本数が増えたので安定感、グリップ力が高い
アキラ

個人的には、これくらいピンがしっかり配置されていた方が安心できます。

公式大会の厚さ規定もクリア

ソニックスプリントエリート3のミッドソールの厚さは20mm以下に設計されています。

現在の世界陸連の規定では、国際大会のトラック・フィールド種目でのミッドソールの厚さは25mm以下になっています。さらに2024年11月からは最大20mm以下とする決定がされています。
参考:月陸Online

そのため、現状では2024年11月以降もソニックスプリントエリート3は公式大会の規定を満たすため使用可能ということになります。

価格はやや高めの設定

定価…28,500円(税込)

発売されて間もないため、大幅な値下げはありません。タイミングやサイズにもよりますが、楽天市場やAmazonでは22,000円~25,000円程度で購入できることもあります

全体的に品薄状態なので、自分に合ったサイズがあれば早めに購入することをおすすめします。

アシックス ソニックスプリントエリート3

スパイクはどこで買うべきかを解説!

幅広いサイズ展開

23.0cm~29.5cmのサイズ展開になっています。性別、年齢問わず履けるサイズ展開になっています。

フィット感を重視したジャストサイズ

幅はSTANDARDです。2Eだと思って大丈夫です。合成皮革素材のアッパーであった従来モデルのスパイクと比較して、タイトめに設計されています。伸縮性、フィット感の高いアッパーなので、ややタイトめに作られているように思います。

アキラ

普段のランニングシューズと同じサイズを選択すると、個人的にはつま先が結構窮屈でした。

ソニックスプリントエリート3のサイズ選びの指標は以下の表をご覧ください。

今履いているスパイクのアッパー素材サイズ選び
アシックスHL-0メッシュ
モーションラップ
±0cm
合成皮革+0.5cm
ミズノウーブン+0.5cm
合成皮革+0.5cm

カラーは2色+限定カラー1色

ホワイト/ブラック セーフティイエロー/
ブラック
(NEW!)
ブルーエクスパンス/
ピュアゴールド
(SteP限定)

厚底モデルのため、これまでの薄底より重い

約175g…26.0cm片足

ミッドソールの厚みのため、ある程度の重さが出てしまうのは仕方のないことです。

薄底の軽量スパイクと比較すると重いように思えますが、この程度の重量は全然気になる重さではありません

アキラ

実際、手に取って履いてみても重さは全然感じません。

※参考(±5g程度の誤差あり)

スパイク名重さサイズ




サイバー
ブレード16
約170g26.0cm
ジェット
スプリント2
約140g26.0cm
ソニックスプリント
エリート2
約145g26.0cm


Xレーザー
ネクスト3
約155g26.0cm
Xブラスト
NEO2
約175g26.0cm
クロノ
インクス9
約140g26.0cm
各スパイクの重量比較表

ジェットスプリント3との違いは?

ジェットスプリント3との違いは?

同時期にジェットスプリント3が同じく厚底化して発売されました。ぱっと見では見分けがつきませんが、以下のような違いがあります。

つま先の傾斜(プレートの角度)が急

つま先の傾斜(プレートの角度)が急

見てわかる通り、つま先の傾斜が違うのが分かります。プレートもジェットスプリント3はフラットに入っていますが、ソニックスプリントエリート3は前足部から反りあがっています

ラウンド型のヒール

ラウンド型のヒール

ジェットスプリント3はフラット接地向けに設計されているため、かかとの接地面の安定性を持たせるためにセミラウンド寄りの形状になっています。

一方、ソニックスプリントエリート3はフォアフット向けに設計されているため、軽量化とブレーキ抑制のためにラウンド寄りの形状になっています。

フォーム材の厚みのバランスが違う

フォーム材の厚みのバランスが違う

ジェットスプリント3はフラット接地向けの設計なので中足部のフォーム材に厚みを持たせ、より反発が得られるようになっています。

一方、ソニックスプリントエリート3ではプレートを屈曲させて反発を貰いやすい厚みに調整されています。

アキラ

やや薄くなっているのでプレートを曲げての反発が貰いやすくなっています。

ソニックスプリントエリート3のメリット

ソニックスプリントエリート3のメリット

ソニックスプリントエリート3を履くメリットは以下の点が挙げられます。

厚底スパイクが初めてでも履きやすい

初めて厚底スパイクを履く人にとって、ソニックスプリントエリート3はおすすめできます。

ソニックスプリントエリート3は、前足部で接地してプレートをしならせて反発をもらえるよう、前足部の傾斜がやや高めに設計されています。

ただ、海外製のものと比較すると、傾斜が強すぎないので、どんな人でも比較的履きやすいスパイクになっています。

海外製スパイクとの比較

また、ミッドソールに使われているFF Blastは、高い反発性能に加えて高機能なクッション性もあるため、脚への負荷を押さえつつも高い反発を実感できます。

以上から、ソニックスプリントエリート3は、初めて厚底スパイクを履く人にとっては試しやすく扱いやすいスパイクになっています。

筋力があればより高い反発が得られる

ソニックスプリントエリートは3は、筋力があればより高い反発が得られます。

これまでの薄底スパイクと同様に、プレートを曲げることで得られる反発力に加えて、高反発フォーム材を潰すことで跳ね返ってくる反発力の相乗効果で、より高い反発力を実感することができます。

アキラ

従来の薄底スパイクでは得られない推進力を実感できます。

クッション性があるため怪我の防止になる

厚底スパイクのフォーム材は、高反発素材であると同時にクッション素材としての役割も持ちます。

薄底スパイク
接地した時の地面の衝撃がダイレクトに身体に伝わる
厚底スパイク
接地した時の地面の衝撃を、フォーム材で緩和しつつも、フォーム材が元に戻る力を反発力として得ることができる
アキラ

靴底にバネがついているようなイメージです。

ソニックスプリントエリート3のデメリット・注意点

ソニックスプリントエリート3のデメリット・注意点

ソニックスプリントエリート3のデメリット・注意点は以下のとおりです。

筋力がないと反発が得られにくい

ソニックスプリントエリート3は、ある程度の筋力がないと本来のスパイクの力を引き出すことは難しいです。

厚底スパイクの力を最大限に生かすためには、プレートを曲げ、フォーム材をしっかり押しつぶす力が必要だからです。

ソニックスプリントエリート3のプレートは、フォーム材の上に乗っている形なので、プレートを曲げるためにはフォーム材も曲げる必要があります。ある程度の筋力がないとプレートを曲げることができず、スパイクの能力を発揮しきれません。

慣れるのに時間がかかる

厚底スパイクは、慣れるまでにある程度の時間が必要です。

これまでの薄底スパイクは、接地面が地面と近く、ダイレクトな接地の感覚がありました。一方、厚底スパイクは接地面と地面との距離が遠いため、ダイレクトな接地感は薄底スパイクに比べて低いです。

薄底スパイクと比較した、地面との距離

時間が経つと、接地の感覚に慣れ、反発の返ってくるタイミングが分かってくるようになりますが、最初のうちは「ふわっとした感覚」に違和感を覚える人もいると思います。

アキラ

大事な大会の直前で買い替えるのはやめた方が良いでしょう。

価格が高めである

定価が28,500円なので、スパイクの中ではやや高価です。

ただ、ほぼハイエンドと言える性能とクオリティを持っているので、妥当な値段であるかなというのが個人的な感想です。

公式サイトや店舗で買うと、ほぼ定価での販売になりますが、楽天市場やAmazonで買うと22,000円~25,000円程度で買える時もあるので、オンラインでの購入がおすすめです。

アシックス ソニックスプリントエリート3

ソニックスプリントエリート3をおすすめできる人

ソニックスプリントエリート3をおすすめできる人

ソニックスプリントエリート3は以下のような人に特におすすめできます。

初めて厚底スパイクを履く人

ソニックスプリントエリート3は、初めて厚底スパイクを買う人にとって、良い選択肢のうちのひとつです。

理由は、海外製の厚底スパイクと比較して前足部の傾斜が強すぎず、フォーム材のクッション性能も期待できるからです。

海外製スパイクとの比較

前足部の傾斜が強すぎるスパイクを履いた場合、その分、前足部で体重の何倍もの力で踏ん張る筋力が必要なので、トップアスリートでない限り使いこなすのは難しいです。

アキラ

初めて厚底スパイクを履くのであれば、背伸びせずに履きやすい国産のものを履くことをおすすめします。

フォアフットで、筋力が高い人

フォアフットで筋力が高い人は、ソニックスプリントエリート3を十分に履きこなせる可能性が高いです。

前足部で接地してプレートの反発をもらい、フォーム材を真上から正しく潰すことができれば、より高い反発力が得ることができます。

例えば、ソニックスプリントエリート2やXブラストエリート、クロノインクスなどの前足部の傾斜が比較的強く、プレートが硬いスパイクを問題なく扱える人には向いていると言えます

他スパイクの例

とにかく高い反発力を得たい人

反発力の高いスパイクを履いているけど、もっと高い反発力のスパイクを履いてみたいという人はソニックスプリントエリート3は向いています。

プレートの反発とフォーム材の反発の両方が得られる厚底スパイクは、薄底スパイクにはない反発力を発揮できる力があります

アキラ

より高い反発を求めたい人は試してみる価値があります。

まとめ

まとめ

ソニックスプリントエリート3は、初めて厚底スパイクを購入する人にもおすすめできるスパイクです。

前足部にはある程度傾斜がついていますが、海外製のものと比較して平均的か、やや浅いくらいなので、筋力に自信がない人でも履きやすいスパイクになっています。

今後、薄底スパイクから厚底スパイクへ陸上スパイクのトレンドが移行していくと思われます。早めに厚底スパイクに慣れ、厚底スパイクの力を最大限引き出せるように身体を適応できるようにすることも重要になります。

ソニックスプリントエリート3は、最初に手に取る厚底スパイクとして挑戦しやすいため、厚底スパイクに挑戦しようと考えている人は、大いに試してみる価値があります。

アキラ

最後までご覧いただきありがとうございました。

アシックス ソニックスプリントエリート3
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