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この記事ではアシックスの短距離用スパイクSPブレード9の実走レビューをしていきたいと思います。
アシックス SPブレード9 |
陸上スパイクを豊富に取り扱っているスポーツ用品店は減ってきています。SPブレード9の購入を考えている方は、実際に走ってみた感想や履き心地について知りたいという人も多いかと思います。
この記事では、実際にSPブレード9を履いて走った感想をお伝えします。
SPブレード9の特徴やおすすめポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。
履くのにひと手間かかるが、その分フィット感が高い
履くときはダイナラップを緩めてから履こう
ダイナラップはヒモを締めるとシューズ内部のアーチ(土踏まず)部分が持ち上がる仕組みになっています。
ヒモがある程度締まったまま履こうとすると、シューズ内部のサポート部分(右図)が邪魔をして足が入りません。
少し手間のように思えますが、シューズを履く時はヒモを全部緩めてから履くのが基本です。つま先から足首にかけてしっかりヒモを締めることで高いフィット感が得られます。
今までにない高いフィット感に感動です。
ベルトフィットシステムで足首周りのサポート力はバッチリ
ベルトを締めるとシューズ内部からかかとをホールドするため足首周りの固定もバッチリです。
走る直前に固定の微調整ができるのがベルトフィットの良いところです。
かかとが遊ぶ(シューズ内でかかとが動く)感じがありません。
よく伸びるアッパー素材なので窮屈感がない
従来の合成皮革の素材は、足入れが固いという難点がありました。SPブレード9のアッパー素材は「HL-0メッシュ」なので足当たりが柔らかくて足に馴染みます。
例えば、小指や親指の付け根が当たって痛いということが起こりません。
足全体を包み込む高いフィット感がありながらも窮屈感が出ないのが素晴らしいです。
薄く柔らかい素材ですが、スパイクで上から踏んだりしない限りそう簡単には破れません。
履いた時の重量感は全くない
フィット感が高いため重さは全く感じない
重さは25.0cmで155gくらいです。
短距離用のスパイクは、軽いものだと140g前後のものもありますが、15g程度の差だと普通の人は違いが分かりません。
持った感じ、履いた感じで重いと感じたことは一度もありません。
フィット感がかなり高いため足との一体感が強く、全く重いとは感じません。
そもそも重いスパイクではない
かなり軽い部類のスパイクでも、このSPブレード9より20g軽い程度です。20gは500円玉3枚分です。この差が重いと感じられるのは上級者かプロくらいでしょう。
「他のスパイクと比べて重いかも…」と心配されている方は全く心配いりません。
走ってみた感想(直線)
適度な傾斜があり、プレートを曲げやすく反発が得られやすい
プレートは適度な傾斜がついており、プレート前足部の屈曲性が高いため、無理なくプレートを曲げて反発を貰うことができます。
母指球の箇所にピンが2本ついているのでグリップ力も高く、安心して体重をスパイクに預けることができます。
プレートの屈曲性は高いですが、反発はしっかり返ってきます。ピッチを刻むというよりは、ゆったりとした大きなストライドで走ると非常に気持ちが良いです。
無理せず走れて素直に反発が返ってくるのが本当に心地良いです。
クッションがありつつも接地感は高い
かかとにはクッションが入っています。SPブレード9のクッションの特徴は以下のとおりです。
- 走っていて邪魔にならない程よい厚さ
- 足への衝撃が緩和される
- クッション性がありつつも接地感も高い
クッションの量や厚みが絶妙なので、クッション性の役割をもちつつも、走りの邪魔をしない作りです。
走ってみた感想(コーナー)
グリップ力が高く不安がない
ピンの本数が多めなのでグリップ力が高く、コーナーでもしっかり内傾を作ることができます。
ひとつ前のモデルは8mmピンが標準装備でしたが、今作から7mmが標準装備になっています。8mmだと刺さりすぎてしまうため7mmがちょうどいいかなと思いました。
中足部が頑丈にできており、ねじれがない
前足部の屈曲性は高いですが、中足部はしっかり硬めにつくられているため、左右へのねじれが起こりにくいです。
そのため、コーナーでも力が外側へ逃げづらく進行方向へ素直に反発する感じです。
おすすめできる人
初めてオールウェザー専用スパイクを購入する人
アンツーカ兼用スパイクを履いていて、初めてオールウェザー専用スパイクを購入する場合はこのスパイクを選んでおけば間違いないです。
反発力、屈曲性、グリップ力、クッション性、対応種目の広さ、耐久性など全てのバランスが良いです。何かが突出している訳ではありませんが、それ故に非常に履きやすく扱いやすいスパイクです。
個人的にはこのスパイク一択だと思っています。
中級者で無理なく記録を伸ばしたい人
初心者にももちろんオススメですが中級者以上にもオススメしたいです。
なぜなら、とにかくクセがないスパイクのため、練習でも使いやすく質の高い練習を積みつつ怪我のリスクを抑えることができるからです。
私は200m、300m、400mの自己ベストを全てこのSPブレードで出していますが、今後もSPブレードを履き続けると思います。
中学生や女子選手、筋力が低く体重の軽い選手
中学生や女子選手、男子選手でも体重が軽い選手は硬いプレートだとプレートを曲げきれず、反発が貰えないだけでなく疲労も貯まってパフォーマンスが発揮できないことがあります。
「プレートが硬いと反発が高くて早く走れる」
というのは完全に人によります。筋力やパワーが不十分な選手にとっては逆効果になりますので、そういった方にこそSPブレードを履いてもらいたいです。
おすすめしない人
小学生や初めてスパイクを買う中学生
身体の発達が不十分な小学生や、陸上のスパイクを初めて購入する中学生は、怪我をしないようにまずはアンツーカ(土トラック)兼用モデルのスパイクで走るという感覚を身に付けて欲しいです。
クッション性は必要最小限です。接地の衝撃を筋肉や体幹でしっかり受け止めきれないと怪我のリスクが上がりますので、クッション性のあるスパイクで足と身体を保護することを優先して欲しいです。
かなりハイレベルで軽さや高反発を求める人
競技レベルが高く、もっと軽く、もっと高反発なものが良いという方はきっと筋力もパワーも高いと思います。
そういった方はよりハイグレードなスパイクを履いた方がより高いパフォーマンスを発揮できるかもしれませんので、競技レベルに自信のある方は他のスパイクも視野に入れても良いと思います。
もちろん、SPブレードが走りやすく自分合っているということであればSPブレードを履き続けるという選択肢は決して間違いではありません。
タイムの目安は特になく、基本的に誰が履いても良い
全国レベルでも地区レベルでもOK
SPブレードは、さすがにインカレや日本選手権、全日本実業団選手権などのハイレベルな試合では履いている選手は減りますが、例えば全中やインターハイでも頻繁に見かけますし、地区大会でも履いている選手は非常に多いです。
自分に合っていて、走りやすいと感じればどんなレベルの選手でも実力を発揮できるスパイクです。
男女差もなく使える
特に硬いプレートのスパイクは、高い筋力やパワーを要します。同じインターハイ出場選手でも男女の筋力差は当然あります。
スパイクは男女別に作られているわけではないので、ハイレベルな女子選手でも硬いプレートのスパイクだと走りに合わないこともあります。
そういった選手の選択肢のひとつして、非常に重要なポジションを持っていると思います。
女子100m、200m日本記録保持者の福島千里選手の愛用スパイクはSPブレードをベースに改良されたもののようです。
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