【ついに厚底化!?】SPブレード10を徹底評価・レビュー!

  • SPブレード10の最大のポイントはソールの厚底化
  • 厚底ながらも屈曲性があり扱いやすい
  • すべての短距離種目でおすすめできる
  • 薄底や兼用スパイクからの乗り換えに最適

SPブレードシリーズで最新であったSPブレード9が、ついに2025年1月にSPブレード10として大幅進化して発売されました。最も大きな変化は、ソールに高反発フォーム材を搭載した厚底化です。

この記事では、厚底化されたSPブレード10がどのような性能や特徴を持つのか、また、その他の変更点について詳しく解説しています。この記事を読むことで、SPブレード10がどのようなスパイクなのかが分かり、自分に合っているかどうかを判断できるようになります。

アシックス SPブレード10
目次

SPブレード10はどんなスパイク?

SPブレードシリーズは2010年から続いているロングセラーです。2025年で15周年になりますが、ソールが厚底化され大幅に進化してSPブレード10として2025年1月に発売されました。

キスケ

15年もリニューアルを繰り返しているということは、それだけたくさんの人に支持されているということです。

対応種目は100m~400m・ハードル

100m200m400m100mH
110mH
400mH

SPブレード10は全ての短距離種目に対応しています。反発性、屈曲性、クッション性のバランスが非常に高く、どの種目であっても走りやすい万能なスパイクです。

同じアシックスの厚底スパイクである「ソニックスプリントエリート3」と「ジェットスプリント3」はハードル種目に対応していませんでしたが、SPブレード10は厚底ながらハードル種目に対応しているのが大きなポイントです。

SPブレード10の基本スペックの紹介

SPブレード10の基本スペックの紹介

ここではSPブレード10の基本的なスペックを紹介します。

幅広いサイズ展開×標準的なサイズ感

サイズは22.0cm~29.5cmの幅広い展開なので、誰でも自分に合ったサイズを探すことが可能です。

横幅はSTANDARD幅になっています。STANDARD幅はE~3E相当なので標準的な足幅です。

キスケ

そもそもアシックスは国産メーカーなので、日本人の足にフィットしやすい足幅に設定されています。

厚底なのでやや重いが、気にする重さではない

SPブレード10の重さは約185g(26.0cm)です。以下はアシックスとミズノのスパイクの重さの参考値です。

薄底のスパイクと比較すると、フォーム材の分重量が重くなるのは仕方ないことです。しかし、この程度の重量差であれば、通常は履いていて重さを感じることはありません。

キスケ

1g、2gを気にするような人でなければ大きな問題ではありません。

カラーは2色展開

カラーは以下の2色が用意されています。

目を引く鮮やかなイエローと、クールなブラックなので多くの人が履きやすいカラーです。

厚底としては買いやすい価格設定

定価は23,000円(税込)です。SPブレード9の定価から上げることなく据え置きになっています。他の厚底スパイクと比較すると安価な価格設定と言えます。

以下は、アシックスとミズノの代表的なスパイクの定価とオンライン相場です。

サイズやカラーによっては相場よりも安い価格で購入することも十分に可能なので、オンラインで探すのが安くスパイクを購入するポイントです。

キスケ

SPブレード10は発売されたばかりなので、しばらくは定価での販売が続くでしょう。

アシックス SPブレード10

SPブレード10のアッパー

SPブレード10のアッパー

SPブレード10のアッパーは以下のような特徴があります。

シームレスなTPUメッシュ

SPブレード9では、HL-0メッシュがアッパーに使われていましたが、SPブレード10では縫い目のない一枚布でアッパーを覆うTPUメッシュが採用されました。TPUメッシュの特徴は以下のとおりです。

高強度・高耐久性
優れた強度と耐久性を持ち合わせているため、外部からの衝撃や摩擦に強く、スパイクの寿命を長く保つことができます。
軽量性
軽量な素材なので、シューズ全体を軽量化できます。
柔軟性
柔軟性の高い素材なので、足の動きに合わせて変形し、優れたフィット感を生みます。
通気性
メッシュ構造により通気性が高いため、シューズ内のムレを防ぎます。
キスケ

優れた特徴とメリットがあるため、アシックスの多くのシューズに採用されているアッパー素材です。

ヒール部の補強

ヒール部の補強

SPブレード9のヒール部は薄めでしたが、SPブレード10のヒール部は厚くなっています。これにより、かかと全体を包み込むようにサポートし、高いフィット感を生みます。

キスケ

かかとが当たって痛くなりやすい人にとっても非常にありがたいです。

アンクルベルト

SPブレードは歴代からすべてアンクルベルトが採用されてきましたが、SPブレード10でもアンクルベルトは継続的に採用されています。アンクルベルトがあると、その分スパイクが重くなってしまいますが、足首をしっかり固定できるため高いホールド感を得ることができます

キスケ

走る前にホールド感を微調整できるのも便利なので私は好きです。

SPブレード10のソール

SPブレード10のソール

屈曲性と反発性を両立したミッドソール構造

SPブレード10では、プレートの上部にミッドソールが搭載されています。使用されているミッドソールはFF Blast Plusで、クッション性と反発性を兼ね備えた高反発フォーム材です。FF Blastは3種類あり、以下のような特徴をもっています。

FF Blast Plusは、反発性もありつつクッション性もあるバランスの取れた素材です。

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ランニングシューズのクッションと見た目が似ていますが、触ってみると思っているより硬くて弾力性のある素材です。

ソールの厚みについて

2024年11月から、短距離種目で公式大会で使用できるスパイクのソールの厚みは最大で20mmまでと日本陸連で規定されました。SPブレード10のソール全体の厚さは20mm以下に設計されているため、公式大会でも全く問題なく使用することができます。

ミッドソールは前足部からかかとまで均一の厚みになっているわけではなく、以下のように前足部は薄く作られています。

この構造により、プレート全体が曲がりやすく、以下の点で有利です。

  • プレートを曲げやすいので無理なく加速できる
  • プレートを曲げた反発が得られやすい
  • どんな接地タイプの選手でも反発を得られやすい
  • 厚底スパイク特有の違和感が少ない
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SPブレード9と比較しては履き心地に大きな差がないので、厚底スパイクへの移行が心配な人にも非常におすすめできます。

安定性の高いセミラウンド型ヒール

前作のSPブレード9と同様、ヒール部分はセミラウンド形状になっています。セミラウンド形状は、接地時の安定感を高めつつも接地の邪魔をしにくいので、ブレーキによる減速を最小限に抑えることができる万能な形状です。

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安定感が高いのでハードル種目にもおすすめできます。

グリップ力が高く取り換え可能なピン

グリップ力が高く取り換え可能なピン

SPブレード9では固定ピンが3本ありましたが、SPブレード10では固定ピンが廃止されすべて取り換え可能なピンに変更されました。

キスケ

すべて新品に交換できるのは嬉しい変化です。

ピン配列はメタスピードSPを参考にした配列になっており、高いグリップ力を発揮して効率的に地面に力を加えることができます。

SPブレード10の良い点・注意点

SPブレード10の良い点・注意点

SPブレード10は、高反発フォーム材を使用しながらも厚底スパイク特有のふわっとした違和感が少ないのが特徴です。これまで薄底スパイクを履いていた人や、兼用スパイクから始めてオールウェザースパイクに乗り換える人にとっても違和感なく履きこなすことができます。

一方で、薄底スパイクと比較して、地面をダイレクトに捉える接地感の低下や重量アップは注意点とも言えます。

SPブレード10をおすすめできる人

SPブレード10をおすすめできる人

SPブレード10は以下のような人におすすめできるスパイクです。

怪我を予防して走り込みたい人

スパイクを履いて長時間練習すると、接地の際の衝撃が蓄積されて怪我を引き起こしやすいです。SPブレード10は反発性とクッション性を兼ね備えたフォーム材が入っているため、衝撃を吸収する役割も果たし、結果的に怪我の予防が期待できます

特にインターバルトレーニングなどでは走る距離も長くなるので、ある程度のクッション性能は必要です。SPブレード10はクッション性と反発性の良いとこ取りをしたフォーム材が入っているので、怪我を予防しつつスピードを上げた質の高いトレーニングが行えるので非常に優秀です。

キスケ

もちろん本番でも高いパフォーマンスを発揮できる高性能なスパイクです。

初めて厚底スパイクを履く人

これまで厚底スパイクへの乗り換えに抵抗があった人にもSPブレード10はおすすめできます。薄底のスパイクと比較すればフォーム材がある分、最初は違和感を覚える人もいます

しかし、以下の写真のように、ソニックスプリントエリート3などの厚底のスパイクと比較するとやや控えめなフォーム材になっているため、初めての厚底スパイクでも履きやすい作りになっています。

キスケ

短距離スパイクの厚底化が進み、薄底の選択肢が狭まる中で、履きやすさも両立した非常に良い立ち位置のスパイクだと思います。

幅広い短距離種目に取り組む人

SPブレード10の対応種目は100m~400m、ハードルと幅広く、すべての短距離種目に適しています。特に100mや200m、100mH、110mHの選手でも高校生以上になればマイルリレーを走る機会も増えます。逆に、400mや400mHの選手が4×100mリレーに出ることもあるでしょう。

SPブレード10は、幅広い短距離種目で反発性や屈曲性、クッション性を生かして高いパフォーマンスを発揮することができるスパイクです。全ての短距離種目をカバーしたい人や、ショートスプリントからロングスプリントまで走る可能性のある人にとっては最善の選択肢にもなり得ます。

キスケ

正直な話、迷ったら全員SPブレード10で良いのではないかと思うほどバランスの取れた万能スパイクです。

まとめ

まとめ

SPブレード10は、SPブレード9が厚底化され大幅にリニューアルされました。厚底スパイクのフォーム材はクッション性の役割を持つとともに反発性を持たせているので、素材としては弾力性が高く屈曲性が低くなりがちです。

しかし、SPブレード10のフォーム材は前足部を薄めに設計し屈曲性も兼ね備えているため、初めての厚底スパイクを履く人や筋力に自信のない人、兼用スパイクからオールウェザー専用スパイクに買い替える人に最適なスパイクに仕上がっています。

100mを10秒台で走るようなハイレベルな選手には少し物足りないかもしれませんが、それ以外の選手なら誰でも履きこなしやすく、十分に高いパフォーマンスを発揮できる優秀なスパイクと言えます。

アシックス SPブレード10
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